ある日、ATMで通帳を使おうとしたら「読み取りできません」とエラー表示が。焦って何度も入れ直したものの、やっぱり反応せず——。
私も以前、ゆうちょ通帳の磁気不良で困ったことがあります。原因がわからないまま慌ててしまいましたが、実は窓口で簡単に直せるケースが多いんです。
この記事では、「ゆうちょ通帳の磁気不良って何?」「修理や再発行はどうすればいい?」という疑問を、私の経験を交えてわかりやすくまとめます。
ゆうちょ通帳の磁気不良とは?
磁気不良の定義と仕組み
ゆうちょ通帳の裏側には、黒い帯のような「磁気ストライプ」があり、そこに口座番号や記帳データ、残高情報などが記録されています。
この磁気部分は、ATMや窓口で通帳を読み取る際に非常に重要な役割を果たしています。ATMは、このストライプの磁気信号を読み取って情報を呼び出す仕組みです。
しかし、この磁気部分が壊れたり弱まったりすると、ATMが正確にデータを読み取れなくなります。つまり、通帳そのものに問題があるのではなく、「記録部分の磁気が正しく働かなくなっている状態」こそが磁気不良です。
見た目は何の変化もないのに、いきなり「お取り扱いできません」と表示されることも多く、気づかないうちに進行しているケースもあります。
代表的な症状とエラー
磁気不良のときに出る主なサインは次の通りです。
ATMで「この通帳はお取り扱いできません」と表示される
通帳を入れてもすぐに戻ってくる
一部のATMでは使えるが、他では使えない
特に3つ目の「ATMによって使えたり使えなかったりする」ケースは要注意。
これは、磁気データが完全には壊れていないものの、部分的に読み取りが不安定になっている可能性が高いサインです。
また、古いATMや屋外設置型の機械では読み取り精度が低く、磁気が少し弱いだけでもエラーになることがあります。
「ときどき使えるから大丈夫」ではなく、早めに修復してもらうのが安心です。
なぜ磁気不良が起こるのか?
磁気不良の原因は、実は私たちの生活の中にたくさん潜んでいます。
通帳は紙のように見えて、実は電子機器に近い「データ記録媒体」。そのため、強い磁気や熱、湿気にとても弱いのです。
主な原因例
磁石のあるアイテムとの接触
スマホケースのマグネット部分やバッグの留め具、スピーカー、イヤホンなどの磁石が原因で、知らないうちに通帳の磁気が消えてしまうことがあります。高温・多湿の環境に長期間保管
夏場の車内やストーブ付近など、高温になる場所に通帳を置くと、磁気が劣化する恐れがあります。湿度の高い場所も同様で、紙自体の変形により磁気ストライプが傷つくことも。頻繁な摩擦や折り曲げ
バッグや財布に無理やり押し込むなど、通帳に物理的な負荷をかけることで、ストライプが擦れたり剥がれたりして不具合が起きることもあります。経年劣化
何年も使い続けるうちに、自然と磁気の力が弱まっていくこともあります。とくに10年以上前の通帳は、素材自体が古いタイプのものもあり、故障が出やすい傾向があります。
このように、磁気不良は「ある日突然」起こるものではなく、日常の小さな積み重ねによって発生することがほとんどです。
大切なのは、磁気を弱らせる環境を避けることと、通帳を丁寧に扱う意識。
ほんの少しの工夫で、長くトラブルなく使い続けることができます。
ゆうちょ通帳の磁気不良を解決する方法
磁気不良の修復手順
まずは、ゆうちょ銀行/郵便局の貯金窓口で“磁気修復”を依頼します。ATMでは直せません。
私が窓口でお願いしたときの流れはこんな感じでした。
受付で「通帳の磁気不良かもしれません」と伝える
本人確認(氏名・生年月日などの口頭確認、必要に応じて本人確認書類の提示)
端末で磁気ストライプを再記録(修復)
記帳テストをして完了
所要時間は窓口の混み具合次第ですが、空いていれば10分前後で終わることが多いです。
ポイントは、何度もATMで試さず早めに窓口へ切り替えること。挿入の繰り返しでストライプをさらに傷める可能性があります。
修復後はその場で記帳し、エラーが出ないか確認すると安心です。
再発行の手続きと必要書類
修復で直らない・ストライプの損傷が大きい場合は再発行になります。準備しておくとスムーズです。
本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
印鑑(口座届出印)
現在の通帳(持参できない場合は事情説明が必要)
原則として口座番号はそのまま、残高・取引履歴も引き継がれます。手数料は状況によって異なり、破損・汚損・紛失の理由によっては費用がかかる場合あり。心配なら事前に最寄りの窓口へ確認を。
再発行後は、古い通帳は無効化されます。家計簿アプリを使っている場合は、通帳名の付け替えを忘れずに。
窓口での対応方法と利用時間
ゆうちょの「貯金窓口」で対応します(郵便のゆうゆう窓口は対象外)。一般的な目安は平日9:00〜16:00。
私の体感では、10〜11時台や14時台は比較的スムーズでした。昼休み直後や月末・給料日付近は混みやすいです。
事前に店舗検索で「貯金窓口の営業時間」を確認
代理手続きは委任状と代理人の本人確認書類が必要になることが多い
待ち時間短縮のため、窓口で「磁気修復」か「再発行」どちら希望かを最初に伝える
土日対応は一部店舗のみの例外なので、週末しか動けない場合は必ず営業情報をチェック。修復だけなら平日の短時間で終えられることが多いので、仕事の合間に寄るのも現実的です。
ゆうちょ通帳の磁気不良に関するよくある質問
本人以外の対応は可能か?
原則は名義人本人の来店です。やむを得ず家族が行く場合は、以下を用意するとスムーズでした。
委任状(手書き可。名義人の氏名・生年月日・住所・依頼内容を明記)
代理人の本人確認書類(運転免許証など)
通帳・届出印(可能なら)
高齢の親や未成年の子ども名義で手続きするケースもあります。状況によっては続柄が確認できる書類(健康保険証、住民票など)を求められることも。法人名義は「法人の代表者の本人確認+社印(または届出印)」が基本です。
迷ったら来店前に最寄りの窓口へ電話で必要書類を確認しておくと、往復の手間を防げます。
土日でも利用できる窓口は?
ショッピングモール併設店など、一部で土日営業の貯金窓口がありますが、地域差が大きいのが実情です。
店舗検索で「貯金窓口の営業時間」「土日対応の有無」をチェック
祝日は休業のことが多い
土日営業でも取り扱い業務に制限がある場合あり(再発行は平日対応のみ等)
平日に時間が取れない場合は、土日対応店で“磁気修復のみ”が可能か事前確認を。近隣に該当店がないときは、平日の短時間に寄るか、再発行に必要な書類をそろえて一度で済ませるのがおすすめです。
磁気不良の原因と頻度
磁気不良は使い方や保管環境で発生率が変わります。主な要因は次の通り。
マグネット付きスマホケース・バッグ留め具・スピーカー等との接触
車内や暖房器具付近などの高温、多湿環境での保管
折り曲げ・擦れ・通帳カバー未使用による物理的劣化
経年劣化(古い通帳ほど弱くなりやすい)
頻度は人によってばらつきます。私の周りでも、「一年で一度トラブルが起きた」という人もいれば、「十年以上ノートラブル」という人も。
共通して言えるのは、磁石から離す・直射日光と高温多湿を避ける・カバーに入れて平らに保管する——この3点で発生リスクを大きく下げられるということです。
ゆうちょの他のサービスへの影響
ATM利用時の注意点
通帳の磁気が壊れていると、ATMでの記帳・引き出し・残高照会ができません。
「ATMが通帳をすぐに吐き出す」「お取り扱いできません」と表示される場合は、すでに磁気情報が読めなくなっているサインです。
ただし、キャッシュカードがあればATMでの引き出しや預け入れは可能です。
通帳を使うのは「記帳」目的が多いため、急ぎの入出金はキャッシュカードで対応し、通帳は後日窓口で修復してもらうのが現実的です。
また、磁気不良の通帳を無理に何度も挿入すると、ATM内部で紙詰まりや読み取りエラーの原因になります。再び利用する際は、修復済みであることを確認してから使用するようにしましょう。
ICチップとの関連性
ゆうちょのキャッシュカードにはICチップが搭載されており、これは磁気ストライプとはまったく別の仕組みです。
ICチップは磁気の影響を受けにくく、セキュリティ面でも格段に安全性が高いため、通帳の磁気が壊れてもキャッシュカードには影響しません。
実際、通帳の磁気不良でATM記帳ができなくなっても、キャッシュカードを使えば問題なく取引ができるケースがほとんどです。
ただし、ICチップ付きカードも長期間の摩耗や静電気、熱には弱いため、通帳と同じく保管には注意が必要です。
デビットカード利用時の影響
ゆうちょデビット(J-Debit)は、キャッシュカードをそのままお店での支払いに使える仕組みですが、これは通帳の磁気とは無関係です。
つまり、通帳が磁気不良を起こしても、デビット機能はそのまま使えます。
ただし、残高確認や入出金履歴の記帳ができないため、「通帳で家計を管理している方」にとっては少し不便に感じるかもしれません。
その場合は、ゆうちょダイレクト(オンラインバンキング)を併用すると、スマホやパソコンでリアルタイムに入出金が確認できるのでおすすめです。
また、ゆうちょデビットを頻繁に利用している人ほど、通帳の記帳が遅れがちになる傾向があります。取引明細を正確に残したいなら、磁気修復後にまとめて記帳しておくと安心です。
まとめ|磁気不良は慌てず窓口で早めに対応を
ゆうちょ通帳の磁気不良は、見た目ではわからず突然起こります。
でも、窓口で修復できるケースがほとんどなので、慌てず相談すれば大丈夫です。
ATMでエラーが出たら無理に何度も試さない
窓口で磁気修復または再発行を依頼する
普段から磁気を持つ物と離して保管する
この3つを意識するだけで、トラブルを最小限に防げます。
大切な通帳だからこそ、定期的に状態をチェックして、安心して使い続けましょう。

