iPhoneを設定しているときに「このデバイスはすでにAppleアカウントに関連付けられています」と表示されると、正直かなり焦りますよね。私も以前、家族のお下がりのiPhoneを初期設定しているときにこの表示が出て、「え、これ使えないの？」と不安になりました。
でも大丈夫。このエラーには原因があり、落ち着いて手順を踏めばきちんと解除できます。この記事では、実際に私がたどった道のりと、同じ悩みをもつ方が迷わず解決できる方法をわかりやすく紹介します。
なぜ「このデバイスはすでにAppleアカウントに関連付けられています」と表示されるのか？
Appleアカウントとは？
Appleアカウント（Apple ID）は、Apple製品を使ううえで欠かせない“個人のデジタルID”のような役割を持っています。
iPhoneやiPadは、Apple IDを基準にしてユーザーを識別し、
写真・動画の同期
App Storeでのアプリ購入
iCloudへのバックアップ
メールやメモの共有
といった、日常のほとんどの機能を動かしています。
つまり、Apple IDは「デバイスの所有者情報」そのものでもあり、どの端末が誰のアカウントに紐づいているかという管理を厳密に行う仕組みが組み込まれているわけです。
この仕組みはセキュリティ面で非常に重要で、第三者が勝手にiPhoneを使ったり、情報を抜き取ったりするのを防ぐ強力な守りにもなっています。
関連付けエラーの原因と影響
「このデバイスはすでにAppleアカウントに関連付けられています」という表示が出るのは、その端末が別のApple IDにまだ登録されている状態であることがほとんどです。
代表的な原因としては、
端末が前の持ち主のApple IDにログインしたまま
iCloudから“デバイスの削除”が行われていない
アクティベーションロック（盗難防止機能）が解除されていない
などがあります。
この状態だと、次のような影響が出ます。
iCloudにログインできない
バックアップやデータ同期が行えない
App Storeでアプリをダウンロードする際に前のApple ID入力が求められる
アクティベーションロックによって初期設定がそもそも進まない場合も
特に厄介なのはアクティベーションロックで、持ち主のApple IDが解除しない限り先に進めないため、購入後に気づくとかなり困ります。
この問題が発生するシナリオ
このエラーは、特別な操作をしなくても意外と身近な場面で発生します。たとえば、こんなケースです。
家族から譲ってもらったiPhoneが“初期化したつもり”で実は残っていた
中古ショップで買った端末に前の持ち主のアカウントがまだ登録されていた
昔使っていたApple IDで操作した記憶があり、それが端末に残っていた
家族のApple IDでログインしてアプリを入れた経験がある
iPadやMacでログインしていた履歴が残っている
私自身も、夫のお下がりのiPhoneを引き継いだときにこの問題にぶつかりました。画面には「初期化済み」と出ていたので安心していたのですが、実際は夫のApple IDが裏側に残っていて、設定途中でストップ。
「え？これもう使えないの？」とかなり焦ったのを覚えています。
この経験から学んだのは、“初期化＝すべてが消える”ではなく、Apple IDだけは別管理で残ることがあるということ。
その仕組みがうまく働くと盗難防止になるのですが、知らずに引き継ぐと困ることが多いんですよね。
Appleアカウントの関連付け解除方法
「このデバイスはすでに〜」という表示が出たときは、まず“誰のApple IDが紐づいているのか”を頭の中で整理します。
前の所有者と連絡が取れるかどうかで、取るべき手順が変わってきます。ここでは、私が実際に試した流れも含めて、順番に整理してみますね。
iPhoneからの解除手順
手元に前の所有者がいて、その人のApple IDとパスワードが分かるなら、いちばん簡単で確実なのが「そのiPhone上でサインアウトしてもらう方法」です。
具体的な手順は次のとおりです。
iPhoneの「設定」アプリを開く
画面いちばん上の「ユーザー名（○○さん）」部分をタップ
画面を一番下までスクロールし、「サインアウト」をタップ
iCloudからサインアウトする内容を確認し、必要があればデータを残すかどうかを選択
サインアウトが完了したら、iPhoneを再起動
再起動後、「すべてのコンテンツと設定を消去」で初期化し、新しいApple IDで設定し直す
ここまでできれば、そのiPhoneは前のApple IDから切り離され、新しい持ち主のApple IDで“まっさら”な状態から使えるようになります。
家族で端末を譲り合うときは、受け渡しのその場で一緒にこの操作をしてしまうと安心です。
iPadやMacでの解除手順
前の所有者がiPhone本体を手元に持っていない場合でも、同じApple IDでログインしているiPadやMacがあれば、そこから遠隔で紐づけを外すことができます。
私の家では、夫が職場にiPhoneを持って行っていたので、家にあったiPadから作業してもらいました。
手順はこんな感じです。
パソコンやiPadのブラウザから「iCloud.com」にアクセス
前の所有者のApple IDでサインインする
画面上部または「デバイスを探す」などのメニューから、「すべてのデバイス」を選択
一覧の中から問題のiPhoneを選び、「アカウントから削除」または「このデバイスを削除」を実行
削除が終わったら、iPhone側で再度初期設定を進める
この操作を行うと、そのiPhoneは前のApple IDから切り離された状態になり、新しい持ち主のApple IDでアクティベーションできるようになります。
距離が離れていてもネットさえつながれば対応できるので、離れて暮らす家族から譲り受けた端末でも使いやすい方法です。
Appleサポートに問い合わせる方法
どうしても前の所有者と連絡が取れない場合や、中古ショップで購入した時点でロックがかかっていた場合は、自分たちだけでは解決できないこともあります。そんなときは、Apple公式のサポートに頼るのが安全です。
問い合わせのポイントは次の2つです。
Appleサポートのサイトやアプリから「Apple ID」や「デバイスのアクティベーション」に関する項目を選び、チャットまたは電話で相談する
購入した証拠（レシートや納品書、オンライン購入ならメールの控えなど）を手元に準備しておく
Apple側としても、本当にその端末の正当な購入者かどうかを確認する必要があるため、購入証明書や本人確認書類の提示を求められることが多いです。
状況によってはロック解除が難しいケースもありますが、自分であれこれ設定をいじり続けるより、早めに公式サポートに相談した方が結果的に近道になることもあります。
「これ以上自分ではどうしようもないな」と感じたら、無理せずプロに頼る選択肢も頭の片隅に置いておくと気持ちがラクになります。
解決策：関連付け解除のための準備
関連付けを解除する前に、いくつか準備をしておくと、あとで「しまった…」と後悔せずに済みます。ここを丁寧にしておくと、作業そのものもスムーズになりますし、家族の写真や大事な連絡先を失うリスクもぐっと減ります。
必要なデータをバックアップする
解除作業は、最終的に「すべてのコンテンツと設定を消去」などの初期化を伴うことが多いです。
そのため、写真・動画・連絡先・LINEのトーク履歴など“消えたら困るもの”は事前にバックアップしておくことがとても大切です。
バックアップの方法は大きく2つあります。
iCloudバックアップ
Wi-Fiに接続し、
「設定」→「ユーザー名」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」から「今すぐバックアップ」。
コンセントにつないだ状態で行うと安心です。パソコン（Finder / iTunes）でのバックアップ
ケーブルでiPhoneをパソコンにつなぎ、FinderまたはiTunesで「このiPhoneをバックアップ」を選びます。容量が大きくても保存しやすいのがメリットです。
LINEだけは別でバックアップが必要なので、アプリの「設定」→「トークのバックアップ」から、iCloudに保存しておくと安心です。
私は一度、バックアップを取らずに初期化してしまい、子どもの写真の一部を失ったことがあるので、それ以来「バックアップを取るまで初期化しない」と心に決めています。
アカウント情報の確認と準備
関連付けの解除や再設定には、Apple IDのメールアドレスとパスワードが必須です。
ここがあやふやなまま作業を始めると、「パスワードが分からない」「メールアドレスを思い出せない」と途中で止まってしまいがちです。
事前にやっておきたいのは次のようなことです。
自分が使っているApple IDのメールアドレスをメモしておく
家族と共有している場合は、誰のIDなのかを確認しておく
2ファクタ認証（2段階認証）で使う電話番号が今も有効かチェックする
「どの端末に、どのApple IDでログインしているか」を紙やメモアプリに整理しておくと、作業中に慌てずに済みます。
私は家族分を一覧にしておいたおかげで、「あれ、このiPhone、誰のIDだっけ？」という小さなストレスが減りました。
パスワードをリセットする必要性
「久しぶりに触るApple IDで、パスワードを完全に忘れている…」というケースもよくあります。
そのまま関連付け解除に進むと、途中で行き詰まる可能性が高いので、先にパスワードをリセットしておくと安心です。
基本の流れは次のとおりです。
iPhoneの「設定」→ いちばん上の「ユーザー名」をタップ
「パスワードとセキュリティ」を開く
「パスワードの変更」から案内に沿って進める
もしiPhoneから操作できない場合は、ブラウザで「iforgot.apple.com」にアクセスして、登録メールアドレスや電話番号を使ってリセットすることもできます。
パスワードのリセットは“いざというときの鍵を作り直す作業”なので、早めにやっておくほど後のトラブルを防ぎやすくなります。
新しいパスワードを決めたら、メモ帳やパスワード管理アプリに記録しておくと、今後の機種変更や家族の端末設定でも役立ちます。
よくあるエラーメッセージとその対処法
iPhoneの設定を進めていると、いきなり英語やむずかしそうなメッセージが出てきて固まってしまうことがありますよね。私も最初は「これって壊れた？」と不安になりました。ここでは、特に見かけることが多いメッセージと、どう対処したらいいかを整理しておきます。
「確認コードの受信に使用できません」
このメッセージは、2ファクタ認証（2段階認証）で「信頼できるデバイス」として登録していた端末が、まだ前のApple IDに関連付けられているときに出やすい表示です。
たとえば、昔使っていたiPhoneに確認コードを送る設定のままなのに、その端末をすでに手放してしまっている…というようなケースですね。
こんなときは、次の順番で試してみます。
自分が今使っている別のiPhone・iPad・Macがあれば、そちらに確認コードを送る
それも難しい場合は、「SMSでコードを送信」を選び、登録している電話番号あてにコードを受け取る
電話番号自体が変わってしまっているときは、Appleサポートに連絡して、本人確認をしたうえで設定の見直しをしてもらう
ポイントは「今、確実に受け取れる端末や電話番号にルートを切り替えること」です。
私も、機種変更のたびに確認コードの送り先を放置していたせいで慌てたことがありますが、一度ここを整理しておくと、次の機種変更がぐっとラクになります。
「アクティベーションロック解除できません」の原因
このメッセージは、見た目以上に“重い”内容を伝えています。
アクティベーションロックは、盗難や紛失時に悪用されないようにするための仕組みで、前の持ち主のApple IDが残っていると自動的に有効になります。
つまり、このエラーが出るのは、
iPhone本体は初期化したように見えるのに
iCloud側ではまだ「前の所有者の端末」として登録されている
という状態です。
このロックは、前の所有者のApple IDとパスワードで解除してもらわない限り、基本的には先に進めません。
中古ショップで買った端末でこの表示が出る場合は、購入店に相談して、元の持ち主に解除してもらえるか確認してもらうことになります。
私も一度、中古端末でこの表示を見たときは「完全に詰んだ…」と思いましたが、ショップ経由で前の持ち主に解除してもらい、無事に使えるようになりました。焦りますが、自分であれこれいじるより、購入先やAppleサポートと連携して進めた方が安心です。
「このデバイスは他のAppleアカウントにリンクされています」などのメッセージ
「このデバイスは他のAppleアカウントにリンクされています」
「このデバイスはすでにAppleアカウントに関連付けられています」
など、表現は少しずつ違っても、メッセージが言いたいことはどれも同じです。
原因として多いのは次の2つです。
前所有者のApple IDがデバイスに残ったまま
過去に自分が使っていた別のApple IDの情報が残っている
たとえば、昔のメールアドレスで作ったApple IDを一度だけ使って、そのまま忘れている…ということもあります。
心当たりがある場合は、その古いApple IDで「iforgot.apple.com」からパスワードをリセットし、ログインして紐づけを解除する流れになります。
「誰の、どのApple IDが残っているのか」を冷静に整理することで、次に何をすればいいかが見えてきます。
家族でApple製品をたくさん使っている家庭ほど、IDがごちゃごちゃしやすいので、一度紙に書き出してみるだけでも、エラーメッセージに振り回されにくくなりますよ。
解決後のチェックポイント
関連付けの解除がうまくいって、ひとまずエラー表示が消えたとしても、「本当にこれで大丈夫かな？」と不安になりますよね。私も一度トラブルを経験してからは、必ずいくつかのポイントをチェックするようになりました。ここでは、“解決後にやっておくと安心な確認ポイント”をまとめておきます。
関連付けの確認方法
まずは、本当に自分のApple IDだけがそのデバイスと紐づいているかを確認します。手順はとてもシンプルです。
「設定」アプリを開く
いちばん上の自分の名前（Apple ID）をタップ
少し下にスクロールすると「デバイス」という一覧が表示される
ここに表示されているのは、「そのApple IDに紐づいている端末の一覧」です。
自分が実際に使っているiPhone・iPad・Mac・Apple Watchなどだけが並んでいればOK。心当たりのない古い端末や、すでに手放した端末がある場合は、そのデバイスをタップして「アカウントから削除」しておきます。
この一覧をきちんと整理しておくことで、「どの端末がどのApple IDにつながっているのか」を一目で把握できるようになり、今後のトラブル予防にもつながります。
デバイスの安定性を確認する
関連付け解除や初期化をした後は、iPhone自体がちゃんと安定して動いているかも軽くチェックしておくと安心です。特に見ておきたいのは次のあたりです。
Wi-Fiに問題なく接続できるか
モバイルデータ通信（4G/5G）が普通に使えるか
iCloudへのサインインができているか
写真やメモがiCloudと同期されているか
設定直後は、バックグラウンドでiCloudの同期やアプリの再ダウンロードが走っていて、少し重く感じることもあります。その場合は、少し時間をおいてから再度様子を見ると落ち着いていることが多いです。
もし「やけに固まる」「再起動をくり返す」といった症状が続くようなら、
・再起動をもう一度試す
・最新のiOSにアップデートする
などの基本的な対処をしてみると改善することがあります。
“エラーが消えたこと”だけでなく、“普段どおりに使える状態かどうか”まで確認しておくと、安心感がぐっと高まります。
アプリの動作確認とトラブルシューティング
最後に、「ちゃんと自分のApple IDでApp Storeが使えているか」を確認しておくと安心です。ここが問題なく動いていれば、アカウントまわりのトラブルはほぼ解決したと考えて良いことが多いです。
チェックするポイントはこんな感じです。
App Storeを開き、右上のアイコン（自分のアカウント）をタップして、正しいApple IDになっているか確認
無料アプリを1つダウンロードしてみて、スムーズにインストールできるか
以前購入したアプリの再ダウンロードができるか
アプリのダウンロード時に、知らないApple IDのパスワードを求められたり、「このApple IDでは利用できません」といった表示が出る場合は、まだどこかに古いアカウントの情報が残っている可能性があります。
その場合は、
設定 → 「スクリーンタイム」や「ファミリー共有」の設定を見直す
いったんサインアウトしてから、再度自分のApple IDでサインインし直す
といった手順で整えると改善しやすいです。
アプリが自分のApple IDで問題なくインストール・アップデートできる状態になっていれば、「関連付け問題はしっかり解決できた」と自信を持って大丈夫です。
まとめ｜関連付け問題を解消して、安心してiPhoneを使おう
「このデバイスはすでにAppleアカウントに関連付けられています」というエラーは焦るものの、原因さえわかれば確実に解決できます。前の所有者に解除してもらう、iCloudから削除してもらう、データをバックアップしておくなど、今日紹介したポイントを踏まえて落ち着いて進めれば大丈夫です。
快適なiPhone環境を整えて、これからも安心してデバイスライフを楽しんでください。
